予防医学とは簡単にいえば「病気にかからないように予防する」という考え方です。
病気にかかってから治すのではなく、病気になりにくい体作りを推進して健康を維持することを目的としています。
現代は、日本のみならず世界中で高齢化が進んでいます。高齢者が年々増えていくということは、体の不調で病院にかかる人も年々増えていくということです。
体の不調というのは、病気はもちろんケガなども含まれます。
たとえば、高齢者が体力の低下によって道で転倒し、大腿部骨折という大ケガを負ってしまったとします。
若い人であれば回復力や体力があるのでリハビリ次第で健康な状態に戻ることができますが、高齢者の場合は元々体力が少ないこともあり、寝たきり状態になってしまうケースが高くなります。
このように、治療や介護を受ける人が増えれば医療費も増大し、社会保障制度ではまかないきれなくなる可能性にも発展します。
先進国の中には30年以上前から予防医学を取り入れている国も数多くあります。
福祉大国と呼ばれる北欧諸国では、既に国民に予防医学の考え方が浸透しており、寝たきり老人の人数も減少しているのだそう。
しかし日本では、病気や怪我が起きてから治療するという考え方がまだまだ主流であり、今後の意識改革が重要視されています。