暑くなりそうな日は、熱中症対策を万全にしておきたいものです。
具体的な熱中症対策としては、塩分や水分の摂取が推奨されますが、両方とも過度な摂取には気を付けましょう。
塩分が多すぎることで引き起こされる中毒(食塩中毒)がある一方で、塩分が少なすぎることで起こる中毒もあります。
それが、「水中毒」です!
水中毒とは?どんな症状が現れる?
水中毒は、水分を大量に摂取することで血液中のナトリウム濃度(塩分の濃度)が低下し、「低ナトリウム血症」という状態に陥ってしまい、場合によっては命の危険にさらされます。
主な症状としては、めまいや頭痛、多尿・頻尿、下痢などがあげられます。悪化すると吐き気や嘔吐、錯乱、意識障害、性格変化、呼吸困難などの症状が現れ、死に至る場合もあります。
海外では、低ナトリウム血症による死亡事故が報告されており、水の飲み過ぎが原因と診断されています。
このほか、いかに多くの水を飲めるかを競う競技で7.5Lの水を飲んだ女性が死亡したという事例や、フットボールの練習中14Lの水分を摂取した男性が死亡した事例が確認されています。
適度な水分摂取とは、いったいどれぐらい?
私たちが生きていくために欠かすことのできない「水」
人間には1日に2.5Lの水分が必要といわれていますが、普通に生活しているだけでも、1日2.5Lもの水分が失われているそうです。
年齢や性別、体格などの個人差はありますが、食事中の水分や体内でつくられる水の量は1.3Lで、排出した水分を補うためには、新たに1.2Lの水分を摂取する必要があります。
厚生労働省が奨励している「健康のために水を飲もう」推進運動の中では、平均的にコップの水をあと2杯飲めば、1日に必要な水の量を概ね確保できるとのこと。
暑い日や激しい運動をする場合などはしっかりと水分補給する必要がありますが、決められた量の水を無理に飲み続けることは避け、喉の渇きに応じて、適宜水分を補給することを心がければ、過剰な摂取にもならず、過度の脱水も防ぐことができます。