女性の身体は妊娠すると、色々な変化が現れます。
骨盤もその1つで、寛骨・仙骨・尾骨によってできています。
寛骨には腸骨・恥骨・坐骨があります。
骨盤は可動性があまり高くないので、変形することは通常ではありません。
しかし、妊娠すると赤ちゃんができるため、骨盤腔内を広げようとする力が働きます。
それを促進するのは、リラキシンというホルモンになります。
リラキシンは女性ホルモンの一種で、妊娠や出産に欠かせないホルモンとして知られています。
主に卵巣や子宮、胎盤等から分泌されており、妊娠すると活発に分泌されるようになります。
リラキシンは、関節や靭帯を緩める働きを持っています。そのため子宮緩和因子と呼ばれることもあります。
リラキシンが分泌されることで、お母さんの産道周辺の関節や靭帯が緩くなるのです。
それによりお腹の中の赤ちゃんは、産道が通りやすくなってスムーズに生まれてくることができるようになります。出産において非常に重要な役割を果たしているホルモンで、出産前になると格段に分泌量が増えることが分かっています。
また、靭帯や関節を緩める働きを持つホルモンは、リラキシンだけではありません。
女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンにもそういった働きがあります。
エストロゲンもプロゲステロンも妊娠・出産に大きく関わっているホルモンです。
エストロゲンには、卵胞を成熟させたり排卵を促進させる作用があります。
プロゲステロンは受精卵の着床に関わっているホルモンで、妊娠を継続するために欠かすことはできません。
こういった女性ホルモンの影響によって、産前の骨盤は関節や靭帯が緩んで赤ちゃんが生まれる状態に導かれます。靭帯や関節が緩むことで骨盤は不安定な状態になりますが、出産による体の変化なので特に問題はありません。
しかし、関節や靭帯が緩んで不安定になったことで、腰痛が生じる人もいるようです。
妊娠中は腰痛に悩まされる女性も少なくありません。
筋肉量が低下してしまったり、血行が悪くなることで腰痛が悪化することもあります。
そういった時には、可能な範囲で体を動かしたり温めたりするのが効果的です。
特に体の冷えに悩んでいる人は血行不良に陥りやすいので、血流を良くするように心がけましょう。
そして出産後には、緩んでしまった関節や靭帯は数か月かけて元の状態に戻って行きます。
ただし、人によっては元の状態に戻らないままになってしまうこともあります。
そういった時には専用のベルトを使って矯正したり、ストレッチなどを行って正常な位置に矯正する人もいます。
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